しかし、限りなく膨張するメディアは、やがてお手軽に英雄たちを量産するようになる。英雄物語を効率よく作ってゆくため、個人性はおきざりにされていった。本当にオイシイ部分を、捨てていったのである。
この本は、K−1に十年以上先駆けながらも、今ではすっかり歴史に埋もれてしまった「プロ空手」をはじめ様々な空手メディアにスポットライトをあてるインタビュー本だ。著者は、初期紙プロで散々ダメ出しを食らった苦労人・中村氏である。インタビューの中で、空手家たちの「本当にオイシイ部分」は時に浮き彫りにされ、時に暴かれてゆく。僕は、このような本が読める今の時代も、案外悪くないのかもなあ、と思ったりもした。
吉田豪の空手マンガ書評も載ってます。オススメ。