また、4人の師のなかでもとりわけ黒田鉄山師の技術体系が詳細に書かれている。岡島師は、技術から言語への変換をかなりの深度で行っているため、黒田師の技については今まで自書も含めて著作があるが、一番解りやすく書かれていると感じられた。
しかし、はっきり言って黒田師の武術・技術は言語の範疇を超えたものである。理解するには振武館門弟となる以外ないだろう。整体にしろ武術にしろ、修行を積み重ねたものにしか見えない世界がまだまだあると感じられた本である。
こんなふうに、自分がもし悩みや問題を抱えていたら、この本にはその答えのヒントがいっぱいちりばめられています。一番気に入ったのは、ある、いっさいの近代器具を使わず航海をした人の話を紹介した章で、「(岸に立ち)君には島が見えるか」「(目を閉じて)見えるような気がします」「その島をしっかり見つめろ。その方向に必ず島がある」
というメッセージです。あと同氏の「生きァ?日 輝く日」も、より一般向けで好きです。 「自然なからだ自由なこころ」のブックレビュー本書は、現代武道新体道の創始者である青木宏之氏の「炉端談義」集である。武道家と言うから、突きとか蹴りとかの話を期待すると、あまりに雰囲気が異なるので驚く。実際はそういう話はほとんどない。それよりも、人間と自然との関係、イルカと触れ合い、国際関係、など文化人としての内容が多い。このあたりは、文学博士である氏の面目躍如の点なのだろう。「イルカのほほえみよ、再び」という章では、スキンダイビングで野生イルカと出会いそこから武道の組手の極意を悟る下りが描かれていたり、「春夏秋冬」という章では、いじめ問題・ダイオキシン・環境運動などについての考えをぶつなど、いわゆる武道家のイメージとは大きく異なり、「思想家」と表現した方が、適当かもしれない。
なお、書家としても名高い氏の書が数点扉絵として使われいるのは、ちょっとお得。