この本の凄い点は、昇進基準が非常に緻密に分析されていることである。実際に昇進したケースのみならず、惜しくも見送られた例、さらにはかなりの好成績だが見送られた例まで、「勝ち星」「優勝・それに順ずる成績の回数」の両面から分析し、昇進ないしは見送りが妥当か否かを事細かに検討している。私は、これらのデータの細かさに驚かされ、引き込まれるように読了してしまった。そして、何度も何度も繰り返し読み返した。
また、筆者は、近年(本が出版された94年頃)基準が近年いたずらに引き上げられていると批判している。また、大相撲には厳格な審査基準は不要という意見に対しては、力士も血の通った一人の人間なのであるから、そのような不条理なことを主張すべきではないと反論する。私もこれらの意見には全く賛成なので、非常に共感できた。
相撲好きの方には、是非お勧めしたい一冊である。